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2015年11月の演劇何観る?:現代アメリカ演劇と世界の名作 『オレアナ』 『桜の園』

11月はとても珍しい公演がある。

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オレアナ
分類:演劇(アメリカ)
作:デイヴィッド・マメット(David Mamet)
翻訳:小田島恒志
演出:栗山民也
出演:田中哲司志田未来
日程:2015年11月6日(金)~2015年11月29日(日)
場所:パルコ劇場
チケット:(オンライン)ぴあ http://pia.jp/t/oleanna/ ・ローソン http://l-tike.com/oleanna/ ・イープラス http://eplus.jp/oleanna/
詳細:パルコ劇場公演情報 http://www.parco-play.com/web/program/oleanna/#ticketsオレアナ特設サイト http://www.parco-play.com/web/play/oleanna/

 

作者デイヴィッド・マメットは、現代アメリカ演劇を代表する現役の劇作家(現在67歳)。『オレアナ』(『Oleanna』)は1992年、マメット45歳の時に発表の作品。

昇進を目前に控え、安定した晩年の設計図で頭がいっぱいの若き大学教師[ジョン]。

一人の女子学生[キャロル]が彼の研究室を訪れ、授業についていけないとパニックに陥り、どうか単位を取らせて欲しい、と涙を浮かべて懇願する。
彼女を慰めようと、紳士的な態度で相談に応じるジョン。
しかし後日、キャロルがジョンを“ある理由”で大学当局に訴えたことにより、前途洋々だったはずの彼の未来は打ち壊されていく…。
言葉を尽くせば尽くすほど深まるディスコミュニケーションの溝。
彼女が彼を訴えた“理由”とは?彼は彼女に“何を”したのか?

(パルコ劇場ウェブサイト http://www.parco-play.com/web/program/oleanna/

 

オレアナ』は二人芝居。ジョンの研究室(大学内の先生の個室)といういわば「密室」の中、二人だけの会話で劇が進行していく。この濃い空間の中、観客は登場人物とともに、緊迫、力関係の変化、混乱、そしてほんの少し前までその手に掴みかけていた幸せの全てが目の前で壊れていくジョンの絶望と憤りを味わえる。 

それまで、アメリカ演劇と言えばもっぱら家庭を舞台にしたものだった。ユージーン・オニール、テネシー・ウィリアムズアーサー・ミラーなどの、アメリカ演劇を代表する劇作はみな家庭や家族を描き、その伝統はその後も続いた。そんな中、デイヴィッド・マメットは家庭から外に目を向け、作品を書いた。出世作となった『アメリカン・バファロー』(1977・ニューヨーク劇評家賞)、劇作家としての地位を確固たるものにした、『グレンキャリー・グレン・ロス』(1983・ピューリッツァー賞)では資本主義社会におけるビジネスの世界を、発表と同時に全米で議論を呼んだ本作『オレアナ』(1992)では当時の時事問題を扱った。マメットは、旧世代の家庭劇の伝統と決別し、アメリカ演劇を次のステージへと進めた重要な作家の一人なのだ。アメリカ演劇の世代交代という大きな役割を果たしたマメット作品の力を、劇場で体感したい。 

ちなみに、日本での『オレアナ』の上演はパルコ劇場のレパートリーで、1994年初演以来、今回で18年ぶり3回目の公演という(パルコ劇場の『オレアナ』専用サイト)。…つまりめったに見られない。しかも志田未来が出演するということは、ファンが集まり案外売り切れてしまうのではないか?のんびりしていたが、早くチケットを買わねば。

 

 

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桜の園
種類:演劇(ロシア)
作:アントン・チェーホフ
日時:2015年11月11日(水)~29日(日)
場所:新国立劇場 小劇場
詳細・チケット:新国立劇場ウェブサイト内『桜の園http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/150109_006139.html

 

1904年発表の、世界的に有名なロシアの戯曲。”帝政末期のロシアを舞台に没落遺族の悲喜劇を描く、チェーホフ最後の名作戯曲” (チラシ裏)。

新国立劇場で上演される公演は正統派(?)な演出が多く、料金も手ごろなので、海外の名作を初めて観るのにおすすめ。

…と思ったらプレイガイドでの販売分はすでに完売。チケットは劇場に直接問い合わせを。

 

追記(11/10 新国立劇場メルマガ):

ご好評につき発売後、瞬く間に販売予定枚数終了となりましたが、当日券のご用意が全公演でございます。
ぜひお求めください!
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~「桜の園」当日券情報~
【Z席(税込1,620円)】
小劇場バルコニー席の一部をZ席として、毎公演10席ずつご用意しています。
公演当日朝10:00より新国立劇場ボックスオフィス窓口のみで販売。1人1枚。電話予約不可。
舞台が見づらいお席ですので、ご了承の上、お求めください。
【当日券】
公演当日にZ席以外の残席がある場合、ボックスオフィス(窓口・Web・電話予約)、チケットぴあ全国各店舗では朝10:00より販売いたします。
⇒前売りの状況はこちらから確認!
※既に完売している日も多くございますが、直前のキャンセルなどでチケットが出る場合もございます。WEBボックスオフィス、そしてtwitterの当日券情報をぜひご確認ください。
http://nntt.pia.jp/event.do?eventCd=1521638
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桜の園」といえばチェーホフが書いた最後の戯曲で、昔から日本では深く馴染みがあります。
1915年(大正4)の日本初演から愛され続け、100年目に当たるこの2015年、新国立劇場で上演いたします。
演出に鵜山仁、数々の名女優が演じてきた大役ラネーフスカヤ夫人に田中裕子、対する農奴の息子ロパーヒンに今大注目の実力派若手俳優、柄本佑を迎えました!
充実したカンパニーでお贈りする「桜の園」。舞台美術や照明など細部まで目が離せない作品になっております。どうぞご期待ください!