magnoleahの観劇

演劇/ミュージカルの感想・劇評・観劇スケジュール など

1月の観劇予定

1月は残念ながら観劇はお休み・・・。観た方感想をお聞かせください。

<観たかった劇>

f:id:magnoleah:20140114180950j:plain

『Tribes:トライブス』

世田谷パブリックシアター/シアタートラム
2014年1月13日-26日・新国立劇場小劇場
作:ニーナ・レイン
翻訳・台本:木内宏昌
演出:熊林弘高
出演:中嶋朋子、他
料金:全席指定A6,500・B4,000(2階ギャラリー席)
公式HP

『Tribes』は、先鋭的な作品を数多く生み出すことで世界的に有名なロンドンのロイヤルコート劇場で、2010年10月に初演された作品です。その後、オフ・ブロードウェーでも上演され、高い評価を得ています。

公式HPより)

私は主に英・米の演劇に興味を持っているが、このように小さな新作がほぼリアルタイムで日本で上演されるのは珍しい。また出演者に中嶋朋子さんがいらっしゃるが、このような小規模の劇場で実力のある俳優さんの演技を間近に観られるのはまさに演劇の醍醐味の一つ。とても観に行きたかった。

[世田谷パブリックシアター]

ちなみに世田谷パブリックシアター(同名の劇場での上演だけだと思っていたが、今回のように他施設で上演されることもあるとは知らなかった。)はいつも演目の選定が良く、私の好きな劇場の一つ。2002年から10年以上野村萬斎さんが芸術監督を務めており、萬斎さん演出・出演の演劇が観られるのも魅力。以前高橋康也作、野村萬斎演出・出演の『間違いの狂言』という、シェイクスピアの『間違いの喜劇』を狂言化した演劇を観たが素晴らしかった。今年3月にも、野村萬斎さん演出・出演の戯曲『神なき国の騎士―あるいは、何がドン・キホーテにそうさせたのか?』が上演される予定。
世田谷パブリックシアターHPはこちら

<観てもいいかなと思っていた劇>

ヴェニスの商人』・『ポーシャの庭』 

2014年1月8日-19日・下北沢「劇」小劇場
東京シェイクスピアカンパニー
作:ウィリアムシェイクスピア(『ポーシャの庭』は江戸馨)
翻訳・演出:江戸馨
作曲・演奏:佐藤圭一
料金:各3,800円
公式HP

ヴェニスの商人』は、ユダヤ人の高利貸し「シャイロック」が有名な、シェイクスピアの喜劇。円熟期喜劇の人物造形を存分に楽しめると共に、分かりやすい筋・現代にも通じる内容で、初心者にも通にも人気の作品。

シェイクスピアなどの古典や有名作品は小規模の劇団でもよく上演される。この公演は規模の割に少し高いが、通常2,000-3,000円という手ごろな値段で観ることができるので、初心者が内容を知るのにもいいし、演劇好きが様々な解釈・演出を観比べるのにも良い。私も好きな演目がかかっていると観に行ってみるが、先日の『十二夜』のように時々とてもいい演出が観られると嬉しくなる。

「東京シェイクスピアカンパニー」を知らなかったのでHPを調べたところ、江戸馨さんという方が主宰し、シェイクスピア作品を上演したり、朗読/勉強会を開いたり、関連戯曲を作ったりしているらしい。

年に1回ないしは2回の本公演を行っている。本公演の大きな柱は2つあり、一つはシェイクスピアのストレート・プレイ、もう一つ は’鏡の向こうのシェイクスピア’シリーズと題し、シェイクスピア劇を題材にしたオリジナル戯曲の上演 

とのことで、主宰の江戸さんは独自の視点で新解釈を開拓しようというかなり意欲的な方のよう。『ポーシャの庭』は、江戸さんのオリジナル作で、「『ヴェニスの商人』の続編」とのこと。

<本>

原文:ニーナ・レイン作『トライブス』、シェイクスピア作『ヴェニスの商人』アーデン版

日本語訳本:小田島雄志訳『ヴェニスの商人』(『トライブス』の訳本は現在のところなし)